リクルート出身者が脚光を浴びる前は、野村證券、日本IBM、ソニーが人材輩出の三大企業といわれていた。ライバル企業にヘッドハンティングされたり、ベンチャー企業を起こして成功したりした人もたくさんいる。いわば日本の経済界に人材を供給してきた代表的企業がこの三社である。野村證券の場合は「財務力」を買われての転職が多く、日本IBMの場合は日本オラクル、日本HP(ヒューレット・パッカード)など外資系企業のトップになるケースが多い。
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ソニーは意外と多彩で、技術力からマーケティング力まで、個々の能力を買われての転職だ。この三社に共通しているのは、以下の二点である。(1)現状に甘んじることなく、常に先端を走ろうとする進取の気風を持っている。(2)社員教育に力を入れている反面、実力主義の人事制度が徹底している。このような職場で頭角を現わした人間は、転職・独立してもだいたい成功するだろう。しかし、これから十人一十年後を展望すると、たぶん野村證券、日本IBM、ソニーの優位性はさほどなくなり、人材輩出企業と呼ばれなくなるのではないか。