物理的な販売拠点を持っている

2011.06.06

物理的な販売拠点を持っていることによって、実はもう一つ思わぬ効果があります。それは、競合他社の広告が引き金となって自社店舗に顧客が来店する場合があるということです。あるブランドの商品についての広告を見て需要を喚起された潜在顧客が、同じ商品を売っている近場の他社ブランドの店舗に行ってみる、というパターンは意外と少なくありません。このように認知経路のバリエーションが多様化しているリアルワールドに対して、サイバー世界の場合には相対的に認知経路が限られているといえます。というのも、商品・サービスを提供している企業と潜在顧客の接点がメールアドレスを打ちこんで訪れるウェブサイトのみのため、視覚に訴えることのできる店舗やショッピングバッグといった経路は存在しません。企業サイドは、テレビをはじめとする媒体の広告などによる認知の訴求を行うことは当然、できますが、認知の結果としてその潜在顧客が誤りなくその企業の提供するウェブサイトのメールアドレスを打ちこんでアクセスしなければ意味がありません。要するに、サイバー世界における集客のカギは、いかにして多くの潜在顧客にメールアドレス、あるいはウェブサイト名を第一想起させるかということにつきるわけです。最近では、オフライン広告(マス媒体広告やDMなど)に力を入れる傾向があるものの、ウェブサイトに呼びこむためにはメールアドレスを覚えてもらうことが必須であるということからすると、他社広告によるシナジー効果はほとんど期待できず、(他社の広告を見て需要が喚起されてもメールアドレスがわからなければウェブサイトにはたどりつかないため)認知経路の多様性の幅は相当狭いといえます。