半日、いや一日。修行僧にも勝る苦行なのである。道の悪さも手伝って、尻が座席から浮く「揺れ」は珍しくなかった。座席のクッションなど期待できず、振動はずきん、ずきんと尾てい骨に響いた。天井が低いバスになると、振動のたびに荷棚に頭をぶつけそうで、頭に座布団でも巻いたほうがいいかと真剣に悩んだこともあった。バスの老朽化も激しく、人家も見えない山道や砂漠の道で僕の乗ったバスはよくぶすんという音を残して停まった。
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パンク、バッテリー故障、原因不明のトラブル。そんな「故障」のたびに、二時間、三時間と遅れ、ひどいときは半日近くバスの脇ですごしたこともある。人が住む気配すらない辺境でバスが動かなくなり、呆然と車体の横に立ちつくしていると、どこからともなく物売りが姿を現すことにアジアの密度を感じてしまったものだが、足許を見られているとわかりながらも、彼らから高い水や食料を買ってしのがなければならなかった。