戦前まで、スーツといえばスリーピースやダブルスーツが主役だった。シングルスーツは格下の、本格とはいえないスーツだった。ファッションの簡略化という時代の流れを受けて、今では堂々たる主役にのぼりつめはしたが、やはりスリーピース、ダブルスーツとくらべるとその貫目の違いは歴然としている。これらのスーツを自然体で着られるようになるには、誰であろうと長い年月を要する。オーバー五〇世代にとってみれば、じっくり待った甲斐があったというもの。それだけの魅力がこのふたつのスーツにはある。スリーピースの醍醐味は、ジャケットのボタンを外したときの、パンツとベストの一体感にある。シングルスーツのようにベルトで上と下が分断されることなく、流れるように上方から下方へと続くシルエットは、男の服飾史を眺めても、稀に見るスタイリッシュなデザインと位置づけることができる。さらなる醍醐味は、少しくつろごうとしてジャケットを脱いだ瞬間だ。ベスト姿になったとき、それまで積み重ねてきた男の哀愁が醸し出されて、実に艶っぽい。よく、映画などで主人公の弁護士や若き経営者が困難を乗り越えた末に、ともに闘った仲間とオフィスに戻ってホッと安堵の息をつきながらコーヒーを飲む、といった場面で、このベスト姿は効果的にインサートされる。一方のダブルスーツもぜひ得意なアイテムにしてみたい格好いいスーツだ。このスーツの魅力は、まるで彫刻のように見える胸からウエストへのドラマチックな抑揚。肩まで届きそうな広いラペル(下衿)の剣先から立体感に富んだ胸を経て、ボタンが逆三角形に配列されたウエストを通り、最後は腰のあたりでフレアしていく曲面の連続け、フォーマル感が漂う服であると同時に、セクシーなこと、このうえない。男の装いが頂点をきわめた一九二〇〜三〇年代を彷彿させる、正統的な男の色気だ。どうだろう?こんな服が、オーバー五〇世代になったあなたを待っているのだ。若いころには似合わなかった服を、今ならなんの衒いもなく、ごく自然体で着られる。五〇を過ぎてから先は、オスであることを謳歌できる、人生の中で装うことが最も愉しい年ごろなのである。
[通販サイトのご紹介]
コナカのスーツについて
http://www.konaka.jp/
ボッテガ・ヴェネタ 公式オンラインストア
http://www.bottegaveneta.jp/ja_JP/shop-products
ボッテガ バッグ
http://www.bottegaveneta.jp/ja_JP/shop-products/Mens/designer-handbags