お母さんは転塾を考えていました。しかし、わたしは、一時でもお子さんを預かった以上、たとえ転塾されるとしても塾の活用のしかたなどを含めお話しておきたいと考え、彼とお母さんと三人で面接しました。その場で、いろいろな角度からお母さんの悩みを聞きました。話せばわかるのです。お母さんの口から出てくる言葉は母親の立場からうなずけることばかりでした。お母さんも子どもが信頼している先生は必要だと思っていたのです。私は責任者という立場と同じ母親としての立場からお母さんに今回のことをお詫びしました。そして、話ができたことに感謝しました。結果、このお子さんは受験までがんばって、有名私立中学に合格しました。信頼する先生は舵取りです。上手に活用してもらわなければなりません。彼とコミュニケーションをとる努力もせずに、点数が悪いから先生を責めるのはまちがっています。これはお母さんが塾を上手に活用する方法を知らない証拠です。このエピソードから、母親としてわかることがたくさんあります。まずは、塾を活用する方法を知らなければなりません。そのためには、塾の先生とある程度の本音を交えて話をしておかなければなりません。また、子どもは信頼している先生には親の会話をそのままダイレクトに伝えてしまうものです。塾としてもわかることがあります。親は子どもの点数が悪いことに腹を立てていると同時に、このままではどうしようもないと不安に思っているのです。だからこそ、具体策を提示してあげることが必要ですし、塾の手を借りずにできるだけ子どもの力で解決できるようにしていきたいと望んでいるのです。どこまでの塾の責任だと考えずに、親がいろんな願いを訴えてきたときは、的確で具体的な策を話してあげてほしいのです。一時しのぎではなく、ゴールに向けた策がなによりも必要なのです。
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